こんにちはトゥモローブレイン(株)北川です。
今週のブログテーマは先週から始めた『母から学ぶマーケテイングシリーズ』のVOL.2「4か所のネギ栽培」です。
先週は梅干しや小さな畑でつくった採りたて野菜の「お祖母ちゃんブランドの事業主」と申しましたが、先日私が「何で何か所も別々の場所でこんな多くのネギを植えているの?」と質問した所、マーケティング・商品開発に活かせる野菜づくりの「オー!」の回答エピソードをご紹介します。
説明展開の必要情報として最初に紹介するのはネギの品種の継承方法です。母いわく「ネギは種を採取して苗栽培へと引継いでいく形と苗を株分けしながら品種継投する方法がある」そうです。また、3つの写真は順番に「九条ネギ系統?の地元伝承ネギ」と「種屋で購入し育てた下仁田ネギ」2種類、そして「地元伝承ネギの予備エリア」、「夏収穫用の2・3番目で芽が伸びてくるネギのエリア」の4か所で栽培しています。
先ず1つ目は「そもそも何で離れた別々の場所で栽培するの?」との質問に母は「近くに植えておくと相互に交配して品種が混ざってしまい折角の柔らかくて美味しいと評判の地元ネギが固くなるから」だそうです。 オー! それも凄いノウハウ。
最初の写真はメインで栽培する「地元伝承ネギ」ですが、ここは夏~秋に収穫販売するネギですが、このネギの数年前に災害で全滅した際に近所のお祖母ちゃん農家仲間から「これ柔らかくて美味しい評判いいネギだよ。」と株分け頂いたネギです。実際に栽培して食べると確かに美味しく評判が良いんです。
品種は料理万能型の九条ネギ系統?だろうと思われる雑種だそうです。雑種とは言え見方を変えれば進化系! もしかしたら遺伝の変異で生まれた希少品種と言えるのかも??
それまで単純に「色々な品種のネギを植えれば楽しくて売れるのに」と思っていましたが、一番人気のメインである「地元伝承ネギ種」を伝承し守ることが最優先でその為に色々な品種のネギを同じ畑で栽培することを避けたり、場所を離して栽培することでそのリスクを避けていたんです。
2つ目の写真は「地元伝承の九条系?万能ネギ」の予備栽培エリア。先に述べたように野菜づくりの中でこの品種を作り続ける為に、災害被害リスク対策、品種交配での変化を出来るだけ回避する為に、「下仁田ネギ」エリアの真反対で一番離れた場所に種採取用に植えているそうです。」
これもオー! 凄いことやっている。
3つ目は「種屋で購入し育てた下仁田ネギ」です。これは近所のご年配の男性から「芯が太くて柔らかくて甘い、鍋やすき焼きに使うと美味しい。だから作って欲しい」とのリクエストで3年前から作り始めた冬用のネギそうです。先のネギとは食べる用途や趣向が違う!母にはエンドユーザーの顔とシーンが観えている。
ここでは下仁田ネギのおいしい栽培ノウハウを聞いたのでご紹介しまう。下仁田ネギの良さは芯にあたる白い部分が太くて柔らかい甘いことだそうです。その良さを高めるには10月になると「土あげ」といって芯の部分に土を被せて太陽があたらなくする作業が重要。では最初の夏の時期から土を被せると夏の暑さと湿度で腐ってしまうのだそうです。家庭菜園で栽培されている方はお試しください。
4か所目のネギはネギを夏に収穫する為に「冬のネギの株をのこして新芽を待つ」だそうです。2番手、3番手の芽から伸びたネギは更に柔らかいそうです。その各種のネギを植えるタイミングも3週ぐらいに渡り少しずつズラして植えているとのこと。最後のオー‼でした。
場所、時期、品種、天候など‥色々な要素やリスクを考慮して野菜づくりをしている『母から学ぶマーケティング・商品開発』VOL.3 経営にも活かせるネギづくり編。長年のノウハウの集積『お祖母ちゃんブランドの事業主』である。脱帽‼